サラダから揚げ物まで大活躍なExtra Virgin Olive Oil
「エキストラバージンオリーブオイルは加熱調理には適していない」なんて思っていませんか? 結論から言ってしまうと、これは誤りです。
その理由は、高品質なExtra Virgin Olive Oilの発煙点(加熱して温度が上がり、白い煙が出てくる温度のこと)が177~288℃と高いことにあります。
例えば、バターの発煙点は110~130℃、マーガリンの発煙点は140~150℃、ラードは180℃です。これは、他のオイルと比較してExtra Virgin Olive Oilが安定した油であり、高温で炒めたり揚げたりすることに耐えることを意味しています。
実際、地中海料理(イタリア、スペイン、ギリシャなど地中海沿岸諸国で作られている料理)にExtra Virgin Olive Oilを使った揚げ物は昔から数多く存在します。
発煙点は、オイルの質によって変化します。
遊離脂肪酸含有量(『遊離脂肪酸』は空気中の酸素と結合しやすい性質をもつため、含有量が多いほど作られるオリーブオイルの質が低下しやすいとされています)が減少すると抗酸化物質含有量(『抗酸化物質』はポリフェノール類やビタミンEなど)は増加します。
結果、発煙点も上昇し、オリーブオイルの品質向上へとつながるのです。
オリーブオイルの抗酸化物質の含有量が高いと、調理中に生成される有害な化学物質の量が減り、Extra Virgin Olive Oilから身体に良いとされる一価不飽和脂肪( 酸化されにくいという特徴があります)が作っている料理の中へ多く流れ出ます。料理や揚げ物にとって風味豊かな油であるだけでなく、健康にも最適ということがわかります。
また、ブラジルとスペインの研究者·Rosa Maria Lamuela-Raventos(2019.09.05発行 Olive Oil Times)によると、エキストラバージンオリーブオイルで野菜を調理ことでオイルが野菜の中にも含まれるポリフェノールを吸収し、茹でるよりも栄養価が高いことがわかっています。
たとえば、2019/2020年度のLaconiko社のオリーブオイルの化学分析結果では、オイル1リットルあたりのポリフェノールは430mgという結果が出ました。カリフォルニア大学によって報告されたExtra Virgin Olive Oilの平均ポリフェノールの含有量は222 mgです。
世界中には様々なExtra Virgin Olive Oilが存在しますが、収穫時期やオリーブの種類や品質、気候変動や水質、またその年度によっても成分が変化するものなのです。そのためにも、毎年発表される化学分析結果は自分の目で必ず確認しましょう。
Extra Virgin Olive Oilを使って調理する際に重要なポイントは、熱を上げすぎないこと。高品質のエクストラバージンオリーブオイルの発煙点は、通常、177~288℃に設定されているため、普段の調理温度では発煙点を超えることはまずないでしょう。
ぜひ、エキストラバージンオリーブオイルを使って炒めたり、揚げ物にもトライしてみてくださいね!
【遊離脂肪酸】···空気中の酸素と結合しやすい性質をもつため、含有量が多いほど作られるオリーブオイルの質が低下しやすい
【抗酸化物質】···ポリフェノール類やビタミンEなど。オリーブオイルには、病気の原因ともなる活性酸素を取り除く抗酸化物質が豊富に含まれています
【一価不飽和脂肪】···主にオレイン酸で、オリーブオイル、キャノーラ油、なたね油などに多く含まれます。 酸化されにくいという特徴があるため加熱料理にも適しています
Article:TK Mary